“濱元 隆輔” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:濱元 隆輔 (3 件 / 1 ページ)

魔王様げ〜む! 3回戦

 

好色魔王の魔法で美少女メイドに変身させられた元勇者レイモンド。そんな彼を捜して、今度は人間界から美少女お姫様がやってくる! お姫様に正体がバレないよう、レイモンドは必死に美少女メイドを演じるが…。そんな彼に好色魔王のセクハラが乱れ飛ぶ!?(学研電子ストアWebより)

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 女子が好きすぎる魔王ディンゴに敗北し、姿を変えられて女子として魔王専属メイドとして魔王城で働く事になってしまった元勇者レイモンド(通称レモンちゃん)が繰り広げるTS系ドタバタコメディ第三巻。事実上「メガミ文庫」というレーベルごとお亡くなりになったと思われていた(リンク先参照)のですが、電子書籍という形で奇跡的に新刊刊行となりました。……という経緯があったので、紙媒体での刊行が絶望的なことくらいは小さい事だと……現実を受け止めないと……(遠い目)

 幼なじみの王女様の登場と同時に元の姿に戻れなくても自分の済んでいた人間の住む世界へと帰るという選択肢が提示されて、現在の状況と自分の気持ちを見つめなおす事を強いられてぐるぐるするレモンの姿が大変美味しかった。少しずつ育っていく気持ちを素直に表す事が、最後の最後まで“女”としての自分を完全に受け入れる事が出来ずないレモンが、ディンゴへの気持ちを男としての矜持と敵対心で覆い隠そうとする姿が微笑ましかった。微妙に解り辛い遠まわしな魔王からの愛情というかなんというかにもニヤニヤするわけですが、相変わらずのディンゴの平等すぎる全世界への女性への愛にふきださざるをえない。本当に、1回戦からこの魔王は歪まないな!!

 2回戦までのノリを持続しながら一応続きが出ても出なくても問題ないような終わりかたになっていて、良くも悪くもここが落としどころなんだろうなあ……というところで落ちた感じ。刊行の経緯からして、完全な打ち切りエンドじゃないのはむしろ救いなんですが。フリーダムさと不遇作品拾い上げに定評のある一迅社文庫あたりが拾い上げてくれるか、もしくは同人誌で続きが読めたりしないかなあ。まだまだ展開させようのありそうなお話だったので、ここで終わってしまうのはとても寂しいです。

あと受注限定生産でも構わないので、紙媒体でください。


魔王様げ〜む! 2回戦

 

人間界からはるばる魔王ディンゴの討伐にやってきたものの、魔法で超美少女に性転換させられ魔王専属メイドとして働くレモンに強力なライバル出現!? 男の娘同士のプライドが火花を散らすこんどの戦い、目指すはディンゴの花嫁って、ホント?(公式サイトより)

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魔法で女の子にされてしまい魔王城のメイドとして働くことになった元勇者・レモンのお話第二巻。今回は第一巻で最大の敵として立ちふさがった宿敵・ラミーレスと魔王様を巡ってなぜか恋の鞘当てメイド対決をすることになるお話。

魔王専属の座を巡る美少女メイド2人のバトル!!というと聞こえがいいですが、どっちも元「男」なんですよね。主要となる三角関係に1人も生まれた時からの女がいないというこの事実を踏まえると……。そのほか、元男だと発覚した○○○○さんとの百合具合(※ただし、中の人は全員元男である)なども含めなんという倒錯具合なの……

しかし、相変わらず美少女に対してどこまでもゆがみない魔王・ディンゴが時折見せるイケメン具合と、他の元男どもの変貌具合を見て「いつか自分もああなってしまうかも……」と思いつつもなんだかんだでディンゴに惹かれて行くレモンのやりとりにニヤニヤが止まりません。正直、普通に俺様魔王とツンデレ女子のラブコメ、としても楽しめるけどレモンが元男だと踏まえて読んでいるせいで一種のBL萌えを感じてしまう自分が居るわけで。レモンがギリギリのところで男としての自我を保ち続けているのもポイント高し。正直この絶妙なバランスを崩さず、どこまでも境界線でせめぎあっていてほしいなあ。

個人的に2巻が出るのを待望していたので、期待通りの作品が読めて本当に嬉しい。
3巻が出るのを全力で期待して、楽しみにしてます!!


魔王様げ〜む!

 

お家の事情で魔王ディンゴの討伐に出たものの、あっさり負けてしまった貧乏貴族の三男・レイモンド。そのうえ魔法をかけられ、美少女・レモンに変身させられた!?元勇者のなれの果てが魔王専属メイド。ディンゴのセクハラをかわし、メイド長のシゴキに耐え、男に戻る日を夢見るレモンだったが…。第1回メガミノベル大賞銀賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)

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魔王に敗れた勇者が魔法で女の子の身体にされてしまって、魔王城のメイドとして働くことに……というお話。メガミ文庫の新人さん。

女の子に目が無いという女好きの魔王・ディンゴ様が変態という名の紳士でした。女好きが嵩じて魔界の統一を目指し、副官から召使まで全部女の子で統一し、倒した敵を魔法で女にしては傍に召し仕えさせ、女の子とイチャつくためなら普段はほったらかしの仕事も片付ける、とにかく原動力が「女」という一文字で出来ているであろうその生きざまが、あまりにも歪みない。

一方、そんな魔王のとばっちりで女の子にされちゃった主人公のレイモンド改めレモンちゃん。元・男としてのプライドやら感情やらでせめぎ合い、ディンゴの所業に理不尽なものを感じながらも、なんだかんだといって魔王城の一員として順応していく姿にニヤニヤしました。自分の身体がなかなか直視できなくて悶々としたり、元男だと知っているはずなのにあまりにも開放的な同僚のメイドさん達の態度に逆に慌ててしまったり…とTSお約束なネタも満載。そしてなんとか順応して来たと思ったらスパイ容疑を掛けられて……勇者として正々堂々と魔王を討ちたいというプライドや「好きでこんなことしてるわけじゃないのに」という理不尽さに苛まれているレモンの姿が印象的でした。

しかし、どんなにシリアスなシーンでも、やっぱりディンゴの行動原理には何かしらで女が絡んでくるので、イマイチシリアスになりきれない勢いが素敵。正しく頭の悪いラブコメで疲れた頭に大変美味しかったです。個人的に唯一残念だったのは、メイドさんたち同士でのやりとりや女の子になったレモンの心の葛藤が結構多くて魔王様との掛け合いが思ったよりも少なかったことでしょうか。次巻が出るならぜひとももっとディンゴ様にはレモンにセクハラしまくってほしいです。